篝火#13 クリエイティブチームインタビュー 4/4「会場演出」

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最終回となる今回は、会場を彩る演出をピックアップする。時には映像を最高潮に盛り上げる光を客席の奥まで放ち、優勝の瞬間には勝者を称える銀の祝砲を放つ。

あの日あの瞬間を生み出した演出チームである、タロイモさん、まつりさん、あにさんから話を伺う。

インタビュイープロフィール

タロイモ

撮影、照明、舞台演出、リドリー。
2021年にEGSに加入。
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まつり

AZYU株式会社代表兼マジシャン。テレビや舞台などでの特殊演出経験という謎の経歴のみ引っ提げて舞台チームの門を叩く。
篝火では舞台美術を担当。
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あに

2年目の限界社会人。スマサー連合の配信担当だった。現在は主に関東大会のサブ配信をしている。残飯処理が得意でキング牛丼を2杯食べられる。
ウマ娘ライブに感銘を受け今回演出に携わった。最推しはゴールドシップ。
座右の銘は「自分が向いた方が前」
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演出について

タロイモ

Q1. 今回は何を担当した?

今回は舞台監督を担当しました。

Q2. 自身が行った取り組みのこだわりは?どのように計画していった?

これまでの篝火の照明では、イベントのコンセプトである「生態系」といった有機的なイメージを大切にしてきました。その一例が、選手カメラを映すためのサイドスクリーンです。通常のスクリーンではなく、有機的な形状を持つジョーゼットを用い、その上にプロジェクターで選手映像を投影しました。映像も16:9の幾何的な映像ではなく、あえて輪郭をぼかすことで篝火らしい雰囲気を演出しています。

篝火#10のレーザー演出
篝火#13 のレーザー演出

また、「篝火#10」のGFで天井に篝火のロゴを投影した演出を覚えている方もいらっしゃるかもしれません。実は「篝火#10」の後に「もっと色々できるはず」という不完全燃焼感が自分の中に残っており、いつかレーザーショーを大会に取り入れたいと考えていました。その頃から、より良い照明を目指して、音楽イベントの現場に照明アシスタントとして足を運ぶことで、実地で学びを深めていました。

しかし、レーザーの演出が篝火の有機的な世界観を壊してしまうのではという葛藤もありました。今回、その葛藤に一つの答えが出たのが、KV(キービジュアル)の存在です。今回のKVは、従来とは異なり直線的なデザインとなっており、レーザー演出との相性が非常に良いと感じたため、ついにレーザーショーを導入することにしました。

Q3. 当日の観客や選手たちの反応は?自分で見てどう感じた?あとで会場のビデオなどをみた感想は?

当日は照明のオペレーションとエンディングと撤収の段取りの事に集中していたので、会場がどのようになってるかあまり確認できずかなり不安でした。

その後参加者の方のツイートを拝見して、「意外と自分やるな」と思いました。

カウントダウンのライティング

次回は本番中に照明を確認できるように舞台正面に照明卓を構えたいと考えています。

様々な事情があってPA卓も配信卓側にあるので、それを正面にに構えてより演出の精度を上げていきたいです。

Q4. 今回行ってみての反省や、次回以降やりたいことはある?

舞台演出チームとして、大型大会の演出を担当するという経験は、日本のスマブラ大会ではあまり例がないことだと思います。これは篝火における舞台演出が好評をいただいているからこそ、運営内で理解を得られているのだと思います。

また、進行チームや参加者の協力によって、2500人規模という異例のトーナメントを時間通りに終えることができたのも非常に大きな出来事でした。もしこれが少しでも遅れていれば、Day2に向けた演出の仕込みに支障が出ていたと思います。次回以降も、こうしたチーム間の連携をさらに強化し、よりよい演出を実現していきたいです。

まつり

Q1. 今回は何を担当した?

前回に引き続き、当日は舞台における物理的な装飾などを担当していました。といっても舞台監督であるタロイモさんが欲しい絵や装飾を共有してくれるので、それの渉外がメインでした。

「トラスやりたいね!(タロイモ)」「分かる!じゃあ見積もり周りは全部連絡しておくね!(まつり)」

みたいな。なので、役職で言ったらタロイモさんの手足というのが一番正しい気もしています。

あとは個人的に嬉しかったこととして、TOP8演出のレーザーをいじらせてもらってました。主要なプログラミングは事前に終わっていて、尚且つ専門の方の助言・見守りという大きすぎる補助輪を付けてもらってのものでしたが、楽しかったです。

Q2. 自身が行った取り組みのこだわりは?どのように計画していった?

表の絵が綺麗なら、裏はどうなってたっていいという割り切りをしながら当日色々な絵作りをしていました。これは昔テレビでの制作現場で、マジックでの特殊演出担当として関わらせていただいた時に学んだことでした。

「モニターの左右の幕に選手の姿を映したいんだけど、画面そのものを投影するんじゃなくて篝火っぽくデザインしたい!」

とタロイモさんから指示を貰った時に、作ったのがこれです。

今見ても笑っちゃうくらい力技ですが、観戦している人には見えないように当日いい感じのパーテーションを作ったりしていたので、ヨシ!

逆に言えばかなり今回は出たとこ勝負ばかりの美術になってしまったので、次回はもっと綿密に準備したいですね……。

Q3. 当日の観客や選手たちの反応は?自分で見てどう感じた?あとで会場のビデオなどをみた感想は?

正直、当日は走り回ってたりタスクが常に発生していたりで、反応を見る余裕はなかったです。まともに舞台全体の絵を確認することが出来ていなかったのは本当に反省。

後から映像で見た時に、こんな感じになっていたのか!と感動してました。映像に入っていた歓声も相まって改めて達成感を感じてました。

Q4. 今回行ってみての反省や、次回以降やりたいことはある?

フォトグラファーの方々の写真を見る度に、ステージ上の配信台の細かい布の処理が甘かったり、左右の幕の形が思っていたよりも綺麗になっていなかったりで、あーーーーーーーーーーー!!!!!って発狂してます。

前回に引き続いて採用していた美術周りは、1回やった安心感で無意識に油断していた気がします。1回やったことあるんだから完璧にやれよ、ってこの時の自分を殴りたい衝動でいっぱいです。同じ轍は踏まないように、次回は自分の納得できる仕事をしたいですね。

次回以降にやりたいことは既に書き溜め始めているので、実現できるかはさておいて色々あります。ここに書いちゃうとワクワクがなくなっちゃうので、次回以降をお楽しみにしていただけると。

ただ、「選手にカッコよくあって欲しい!」というのは僕たちのエゴでもあるので、演出をする上で選手たちに負担を極力かけないというのを最優先でやっていきたいですね。

あに

Q1. 今回は何を担当した?

銀テープ大臣(発案から実行までのすべて)を担当しました。

もともと演出周りで何かしたいと考えていて、今の篝火になく、自分の好きな演出を探したところ銀テープが出てきました。ライブで体験した銀テープの打ち出した時の華やかさ、落ちていくときの美しさを「篝火#13」でやりたいと思いました。銀テープを通して今回の篝火が忘れられない体験になればいいです。

Q2. 自身が行った取り組みのこだわりは?どのように計画していった?

銀テープを打ち出すタイミングはめちゃめちゃこだわりました。決着の瞬間、表彰式のトロフィー授与のタイミングなど、どのタイミングが一番盛り上がるかライブ演出に詳しいキクノさんと意見を出し合い議論しました。

最終的には実況解説が「優勝は○○!おめでとうございます!」と言ったタイミングで打ち出すことになりました。正直これ以上にないベストなタイミングで打ち出せたと思います。協力してくれた人たちには本当に感謝です。 

デザインはふぁーむさんに依頼し、私が考えていたよりも遥かに良いものをデザインしていただきました。ありがとう、ボス。 

Q3. 当日の観客や選手たちの反応は?自分で見てどう感じた?あとで会場のビデオなどをみた感想は?

私は打ち出す瞬間は対戦台の裏にいて反応は見れませんでした。でもフォトグラファーの方々がかっこよく撮ってくださりやってよかったと思いました。やはり銀テは映えます。 

Q4. 今回行ってみての反省や、次回以降やりたいことはある?

今回スペースの関係で手に持つランチャー型のものでやりました。各々で引き金を引いて打つため打ち出しのタイミングが少しずれておりここは明確な改善点だと思います。次回は会場に固定するタイプのものを置けるように配信チームと相談です。 

また、打ち出しのタイミングなど事前に話し合うべきことが直前になってしまったのも反省です。別のセクションの仕事もあったので無理なところは無理と助けを求めるべきでした。 

今回で演出のことを少しだけ学べた気がします。次は銀テープ以外にもスポットライトや音響に手を出したいです。 

私が銀テープをやりたいと言って任せてくれたぬくぬくさん、タロイモさん、まつりさん本当にありがとうございます。


以上で全四回のクリエイティブチームインタビューは終了となる。
それではまた次回、「篝火#14」をお楽しみに!

企画: Kurotei
文責: といはる

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